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自閉症とは
自閉症は、社会性や他者とのコミュニケーション能力の発達が遅滞する発達障害の一種で、親の育て方や環境が原因ではない、脳の特性によって起こる発達障害です。
先天性の脳機能障害であるとの意見が有力ではありますが、脳機能上の異常から認知障害の発症へといたる具体的なメカニズムについては未解明の部分が多いのです。
自閉症では脳の特性のために、目や耳から入ってきた情報を整理し、それらを意味のあるまとまったこととして認知することが難しくなってしまうのです。
最近では医学心理学研究の進歩により、以前に比べて自閉症についての正しい理解も得られるようになりましたが、発症の仕組みなど、残念ながらまだ解明されていないこともあるのが現状です。
少し前の医学書には、自閉症はとても珍しい障害で1万人に5人くらいしかいない、と書いてありました。
ところが最近の医学的調査の結果、自閉症はもっとずっと多い障害であることがわかってきました。
今では、自閉症は典型的な子どもの数だけ数えても1000人に2~6人、典型的でない軽症のタイプの子どもまで合わせると100人に1人くらいはいると考えられています。
自閉性障害の基本的特徴は3歳位までに症状があらわれ、以下の3つを主な特徴とする行動的症候群です。
1. 対人相互反応の質的な障害
2. 意思伝達の著しい異常またはその発達の障害
3. 活動と興味の範囲の著しい限局性
★自閉症の原因
現在では先天性の脳機能障害によるとされており、多くの遺伝的因子が関与すると考えられています。
フランス・パスツール研究所の研究チームが、フランス国立医学研究機構およびスウェーデン・イエーテボリ大学と行った共同研究では、自閉症者の脳内で遺伝子「シャンク3(SHANK3)」に異常があることが指摘されています。
ただし、研究チームからはシャンク3で自閉症の全ての症状を説明できるわけではないと警告が発せられており、主要な社会的障害についてある程度説明ができるかもしれないと述べるにとどまっています。
父親が中高年のときに授かった子供である場合、新生児が自閉症になりやすいとする近年の米国の研究があります。
同研究によると、父親が40歳以上の新生児は、自閉症や関連の症例が30歳未満の父親の場合の約6倍で、30~39歳の父親と比較すると1.5倍以上であったとされています。
一方、母親については、高齢者で多少の影響を及ぼす可能性は排除できないものの、子供の自閉症に与える影響はほとんど認められなかったとされています。
日本の独立行政法人理化学研究所は、神経細胞の生存や分化に重要な神経栄養因子の分泌を調節する遺伝子(CADPS2遺伝子)の異常が、自閉症の発症メカニズムに関係しているとの研究成果を発表しています。
★自閉症の分類
自閉症は症例が多彩であり、健常者から重度自閉症者までの間にははっきりとした壁はなく、虹のように境界が曖昧であるため、その多様性・連続性を表した概念図を自閉症スペクトラムや自閉症連続体などと呼びます。
知的障害を伴う場合が多いですが、知的能力(一般的にIQで判断される)が低くない自閉症のことを高機能自閉症と呼ぶことがあります。
また、知的能力の優劣に関わらず、一部の分野で驚異的な能力を有する場合もあり、その驚異的な能力を有する者をサヴァン症候群と呼びます。
なお、「高機能自閉症」と「アスペルガー症候群」、「低機能自閉症」と「カナー症候群」は基本的には類似しており、臨床的には区別がつきにくい場合が多いです。
★診断について
極端に言薬が遅れていた子が3才で急にぺらぺらと話し始めたり、成長につれてこだわりが出現したり、3才までは症状の評価は難しいものです。
また、自閉症の約3割は、「セットバック現象」といって、1才半頃までは健常の発達をしていたのに、ある時期から発達が停滞、あるいは後戻りする現象が見られます。
自閉症は、最初に挙げた「三つ組」の障害が生涯に渡って続くことがわかった時点で確定的となりますが、その判断ができるのは、おおむね3才を過ぎてからです。
しかし、3才未満の子でも3つの条件がそろっている場合、自閉症の特性に合わせたしつけや教育をしてあげたほうが、子どもはまっすぐに伸びていきやすいものです。
★自閉症の病気の歴史的変遷
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の児童精神科医であるレオ・カナーが「早期幼児自閉症」として1943年に報告しました。
カナーは、「聡明な容貌・常同行動・高い記憶力・機械操作の愛好」などを特徴とする一群の幼児に対し、統合失調症(精神分裂病)の一症状を表す用語である「自閉」という言葉を用い、「自閉症」(オーティズム)と名づけたのでした。
カナーの報告した子供たちは、現在の低機能自閉症に当たるとされます。
翌年の1944年、オーストリアのウィーン大学の小児科医ハンス・アスペルガーが、カナーの報告よりも一見軽度ですが、共通点がある一群の子供たちのことを報告しました。
当時ヨーロッパは大戦中であり、オーストリアは敗戦国側であったため、この報告は戦勝国側では1980年代まで脚光を浴びることはありませんでした。
アスペルガーの報告した子供たちは、現在の高機能自閉症に当たるとされます。
カナーの報告から1960年代ごろまで、精神分析家のブルーノ・ベッテルハイムらにより後天的原因説(「冷蔵庫マザー」理論)が唱えられていました。
1960年代後半、イギリスのモズレー病院のマイケル・ラターによって、自閉症は先天性の脳障害だという説が発表され、自閉症の学界はコペルニクス的転回を迎えることになりました。
現在でも自閉症の原因は諸説あるが、現在主流の説はラターの説が元となっています。
日本では1980年代頃まで、(専門家を除き)心理的なストレスによって自閉症になる(本当は場面緘黙症)と信じられていました。
・カナーは自閉症児について、「先天的な知的障害があるわけではなく、心を閉ざしているだけであり、本来は聡明なのだろう」と考えました。
アスペルガーの死去の翌年の1981年に、自身にも自閉症の娘がいるモズレー病院の医師ローナ・ウィングが、英語圏ではほとんど忘れられていたアスペルガーの論文を英訳して再発表し、高機能自閉症の存在を広く知らせました。
それまでのイギリスでは知的障害のある自閉症児にしか福祉の手が差し伸べられていなかったのですが、自閉症の本質は知的障害や言語障害ではなく対人関係の障害であるため、高機能自閉症も支援の対象にするべきだとの考えでした。
★治療の歴史的変遷
カナー、ベッテルハイムにより唱えられた後天的原因説によって、各地の治療施設では、虐待によって発症したのならばその逆をやればよいとの考えのもと、「絶対受容」という治療方針が取られましたが、あまり治療効果はなく、むしろ成年以降の社会適応が困難になったといわれます。
ベッテルハイム自身も障害児の入所施設の所長であしたが、入所児童への虐待やデータ捏造などがあったという疑惑があります。
アメリカの精神分析のメッカであるカール・メニンガー病院では、一時期自閉症も精神分析治療の対象としましたが、精神分析が自閉症に効果がないと判明すると、潔く自閉症部門を閉鎖しました。
このように精神分析や受容療法などの試みが一時期脚光を浴びましたが、あまり効果がないと次第に分かってきました。
★自閉症と間違えやすい病気
症状が似ているため、自閉症と勘違いされる病気も数多くあります。
正確には自閉症そのものが病気というよりは障害といったほうが適切なので、似ているものも障害と呼ばれることが多いです。
・知的障害
特に低機能自閉症(カナー症候群)の場合は、たいてい知的障害も付随(ふずい)しています。
したがって、この障害自体が自閉症だと思われることがあります。
知的障害とは、知的能力の発達が遅れている状態をいいます。
原因については産まれる前から産まれたあとまで様々なことが考えられます。
また、症状の程度によって、最重度、重度、中等度、軽度の4段階に分けられます。
・知的障害の特徴
勉強や社会適応にさまざまな問題が出てきますが、それぞれの能力にあった環境作りを心がけることで、普通に生活することが十分にできます。
症状の特徴としては、知的能力の低さのほかに、多動や同じ動作を何度も機械的に繰り返すなどといったものが挙げられるでしょう。
症状のタイプはいろいろあり、その差も大きいです。
大人になればなるほど、ある程度は生活範囲も広がっていきます。
それにつれてより細かなサポートが必要になります。
・情緒障害
これも自閉症と間違われやすい障害の一つです。
心の病気といえる情緒障害は自閉症とは別のものですが、今日本では文部省が自閉症を対象として含めた特殊学級を情緒障害学級と命名しているために混乱を招くもとになっています。
情緒障害とは、自分の感情をうまくコントロールできずにいつも不安定で、適切な行動をとるのが難しい状態をいいます。原因は対人関係の問題だと考えられています。
特に小さいころは両親がケンカばかりしているとか、親に叱られてばかりいるとか、険悪な環境は情緒障害を引き起こすキッカケになることもあります。
・情緒障害の特徴
情緒障害は特に子供のころに特徴的な症状が見られます。
1.チック
強迫的な傾向を示す子や精神的な緊張が強かったり、抑圧的なときに症状が出ることが多いです。
目をパチパチさせたり、急に飛び跳ねるなど症状はさまざまです。
2.爪かみ
何かをガマンしていたり、何かにおびえていたりする時の行為です。
爪がなくなるまでかんでしまう場合は、完全に情緒障害だと思っても間違いないでしょう。
3.抜毛
抜け毛ではなく、この症状は自分で髪の毛を抜いてしまいます。
感情を抑えていたり、自分を責めていたり、すごく緊張しているときなどに見られます。
4.緘黙(かんもく)
初対面の人がいたり、慣れない場所、またどんな場面でも全然しゃべらなくなるといったことがあります。
ひどくなると動作も固まってしまいます。
※そのほか、頭痛や腹痛、下痢(げり)や嘔吐(おうと)といった症状も出ます。
さらに声が出せなくなる(失声)、手や足が動かなくなる、目が見えなくなるなど重症になるケースもあります。
上記のような症状は、小児神経科や心療内科で診てもらうのもいいでしょう。
保健所では育児相談や発達相談も実施しています。
また、最近はカウンセラー教諭がいたり、スクールカウンセラーが派遣されている学校もあります。
教育センターや教育相談所、児童相談所なども利用するのをおすすめします。
・チック症(トゥレット症候群)について
「チック症」は自閉症と似ている病気であると同時に、自閉症の合併症だということもできます。
チックの症状ばかりが目につくのであれば、自閉症の前に「チック症」の疑いがあります。
「チック症」は神経の病気の一つです。
クセのようなもので特に乳幼児期から小学校・中学校時代にかけて症状があらわれます。
子供のチックの症状は、成長するにつれてほとんどが消えていきます。
このうち、声や行動に症状が出る慢性的なものを「トゥレット症候群」といいます。
こちらは学童期から思春期にかけて多く見られます。
「チック症」(トゥレット症候群)の特徴 まばたき、首振り、顔しかめ、口すぼめ、肩上げなどというふうに上半身に症状がよくあらわれます。
大きくは飛び跳ね、足踏み、足けりなど全身に出る「運動性チック」と咳払いや鼻ならし、うなり声、短い叫びを連発する「発声(音声)チック」に分けられます。
・「チック症」(トゥレット症候群)の対処方法
重症の場合には薬を用いて、軽症ならレクリエーションなどを利用した行動療法が効果的とされています。
親へのカウンセリングも十分に行い、本人の不安や緊張を和らげて、リラックスさせることが目的です。
また本人に障害のことを伝えると、余計に気にしてかえって症状が強くなることもあるので注意しましょう。
症状にあまり気を向けないように、何かほかのことに興味を持たせるようにしましょう。
先天性の脳機能障害であるとの意見が有力ではありますが、脳機能上の異常から認知障害の発症へといたる具体的なメカニズムについては未解明の部分が多いのです。
自閉症では脳の特性のために、目や耳から入ってきた情報を整理し、それらを意味のあるまとまったこととして認知することが難しくなってしまうのです。
最近では医学心理学研究の進歩により、以前に比べて自閉症についての正しい理解も得られるようになりましたが、発症の仕組みなど、残念ながらまだ解明されていないこともあるのが現状です。
少し前の医学書には、自閉症はとても珍しい障害で1万人に5人くらいしかいない、と書いてありました。
ところが最近の医学的調査の結果、自閉症はもっとずっと多い障害であることがわかってきました。
今では、自閉症は典型的な子どもの数だけ数えても1000人に2~6人、典型的でない軽症のタイプの子どもまで合わせると100人に1人くらいはいると考えられています。
自閉性障害の基本的特徴は3歳位までに症状があらわれ、以下の3つを主な特徴とする行動的症候群です。
1. 対人相互反応の質的な障害
2. 意思伝達の著しい異常またはその発達の障害
3. 活動と興味の範囲の著しい限局性
★自閉症の原因
現在では先天性の脳機能障害によるとされており、多くの遺伝的因子が関与すると考えられています。
フランス・パスツール研究所の研究チームが、フランス国立医学研究機構およびスウェーデン・イエーテボリ大学と行った共同研究では、自閉症者の脳内で遺伝子「シャンク3(SHANK3)」に異常があることが指摘されています。
ただし、研究チームからはシャンク3で自閉症の全ての症状を説明できるわけではないと警告が発せられており、主要な社会的障害についてある程度説明ができるかもしれないと述べるにとどまっています。
父親が中高年のときに授かった子供である場合、新生児が自閉症になりやすいとする近年の米国の研究があります。
同研究によると、父親が40歳以上の新生児は、自閉症や関連の症例が30歳未満の父親の場合の約6倍で、30~39歳の父親と比較すると1.5倍以上であったとされています。
一方、母親については、高齢者で多少の影響を及ぼす可能性は排除できないものの、子供の自閉症に与える影響はほとんど認められなかったとされています。
日本の独立行政法人理化学研究所は、神経細胞の生存や分化に重要な神経栄養因子の分泌を調節する遺伝子(CADPS2遺伝子)の異常が、自閉症の発症メカニズムに関係しているとの研究成果を発表しています。
★自閉症の分類
自閉症は症例が多彩であり、健常者から重度自閉症者までの間にははっきりとした壁はなく、虹のように境界が曖昧であるため、その多様性・連続性を表した概念図を自閉症スペクトラムや自閉症連続体などと呼びます。
知的障害を伴う場合が多いですが、知的能力(一般的にIQで判断される)が低くない自閉症のことを高機能自閉症と呼ぶことがあります。
また、知的能力の優劣に関わらず、一部の分野で驚異的な能力を有する場合もあり、その驚異的な能力を有する者をサヴァン症候群と呼びます。
なお、「高機能自閉症」と「アスペルガー症候群」、「低機能自閉症」と「カナー症候群」は基本的には類似しており、臨床的には区別がつきにくい場合が多いです。
★診断について
極端に言薬が遅れていた子が3才で急にぺらぺらと話し始めたり、成長につれてこだわりが出現したり、3才までは症状の評価は難しいものです。
また、自閉症の約3割は、「セットバック現象」といって、1才半頃までは健常の発達をしていたのに、ある時期から発達が停滞、あるいは後戻りする現象が見られます。
自閉症は、最初に挙げた「三つ組」の障害が生涯に渡って続くことがわかった時点で確定的となりますが、その判断ができるのは、おおむね3才を過ぎてからです。
しかし、3才未満の子でも3つの条件がそろっている場合、自閉症の特性に合わせたしつけや教育をしてあげたほうが、子どもはまっすぐに伸びていきやすいものです。
★自閉症の病気の歴史的変遷
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の児童精神科医であるレオ・カナーが「早期幼児自閉症」として1943年に報告しました。
カナーは、「聡明な容貌・常同行動・高い記憶力・機械操作の愛好」などを特徴とする一群の幼児に対し、統合失調症(精神分裂病)の一症状を表す用語である「自閉」という言葉を用い、「自閉症」(オーティズム)と名づけたのでした。
カナーの報告した子供たちは、現在の低機能自閉症に当たるとされます。
翌年の1944年、オーストリアのウィーン大学の小児科医ハンス・アスペルガーが、カナーの報告よりも一見軽度ですが、共通点がある一群の子供たちのことを報告しました。
当時ヨーロッパは大戦中であり、オーストリアは敗戦国側であったため、この報告は戦勝国側では1980年代まで脚光を浴びることはありませんでした。
アスペルガーの報告した子供たちは、現在の高機能自閉症に当たるとされます。
カナーの報告から1960年代ごろまで、精神分析家のブルーノ・ベッテルハイムらにより後天的原因説(「冷蔵庫マザー」理論)が唱えられていました。
1960年代後半、イギリスのモズレー病院のマイケル・ラターによって、自閉症は先天性の脳障害だという説が発表され、自閉症の学界はコペルニクス的転回を迎えることになりました。
現在でも自閉症の原因は諸説あるが、現在主流の説はラターの説が元となっています。
日本では1980年代頃まで、(専門家を除き)心理的なストレスによって自閉症になる(本当は場面緘黙症)と信じられていました。
・カナーは自閉症児について、「先天的な知的障害があるわけではなく、心を閉ざしているだけであり、本来は聡明なのだろう」と考えました。
アスペルガーの死去の翌年の1981年に、自身にも自閉症の娘がいるモズレー病院の医師ローナ・ウィングが、英語圏ではほとんど忘れられていたアスペルガーの論文を英訳して再発表し、高機能自閉症の存在を広く知らせました。
それまでのイギリスでは知的障害のある自閉症児にしか福祉の手が差し伸べられていなかったのですが、自閉症の本質は知的障害や言語障害ではなく対人関係の障害であるため、高機能自閉症も支援の対象にするべきだとの考えでした。
★治療の歴史的変遷
カナー、ベッテルハイムにより唱えられた後天的原因説によって、各地の治療施設では、虐待によって発症したのならばその逆をやればよいとの考えのもと、「絶対受容」という治療方針が取られましたが、あまり治療効果はなく、むしろ成年以降の社会適応が困難になったといわれます。
ベッテルハイム自身も障害児の入所施設の所長であしたが、入所児童への虐待やデータ捏造などがあったという疑惑があります。
アメリカの精神分析のメッカであるカール・メニンガー病院では、一時期自閉症も精神分析治療の対象としましたが、精神分析が自閉症に効果がないと判明すると、潔く自閉症部門を閉鎖しました。
このように精神分析や受容療法などの試みが一時期脚光を浴びましたが、あまり効果がないと次第に分かってきました。
★自閉症と間違えやすい病気
症状が似ているため、自閉症と勘違いされる病気も数多くあります。
正確には自閉症そのものが病気というよりは障害といったほうが適切なので、似ているものも障害と呼ばれることが多いです。
・知的障害
特に低機能自閉症(カナー症候群)の場合は、たいてい知的障害も付随(ふずい)しています。
したがって、この障害自体が自閉症だと思われることがあります。
知的障害とは、知的能力の発達が遅れている状態をいいます。
原因については産まれる前から産まれたあとまで様々なことが考えられます。
また、症状の程度によって、最重度、重度、中等度、軽度の4段階に分けられます。
・知的障害の特徴
勉強や社会適応にさまざまな問題が出てきますが、それぞれの能力にあった環境作りを心がけることで、普通に生活することが十分にできます。
症状の特徴としては、知的能力の低さのほかに、多動や同じ動作を何度も機械的に繰り返すなどといったものが挙げられるでしょう。
症状のタイプはいろいろあり、その差も大きいです。
大人になればなるほど、ある程度は生活範囲も広がっていきます。
それにつれてより細かなサポートが必要になります。
・情緒障害
これも自閉症と間違われやすい障害の一つです。
心の病気といえる情緒障害は自閉症とは別のものですが、今日本では文部省が自閉症を対象として含めた特殊学級を情緒障害学級と命名しているために混乱を招くもとになっています。
情緒障害とは、自分の感情をうまくコントロールできずにいつも不安定で、適切な行動をとるのが難しい状態をいいます。原因は対人関係の問題だと考えられています。
特に小さいころは両親がケンカばかりしているとか、親に叱られてばかりいるとか、険悪な環境は情緒障害を引き起こすキッカケになることもあります。
・情緒障害の特徴
情緒障害は特に子供のころに特徴的な症状が見られます。
1.チック
強迫的な傾向を示す子や精神的な緊張が強かったり、抑圧的なときに症状が出ることが多いです。
目をパチパチさせたり、急に飛び跳ねるなど症状はさまざまです。
2.爪かみ
何かをガマンしていたり、何かにおびえていたりする時の行為です。
爪がなくなるまでかんでしまう場合は、完全に情緒障害だと思っても間違いないでしょう。
3.抜毛
抜け毛ではなく、この症状は自分で髪の毛を抜いてしまいます。
感情を抑えていたり、自分を責めていたり、すごく緊張しているときなどに見られます。
4.緘黙(かんもく)
初対面の人がいたり、慣れない場所、またどんな場面でも全然しゃべらなくなるといったことがあります。
ひどくなると動作も固まってしまいます。
※そのほか、頭痛や腹痛、下痢(げり)や嘔吐(おうと)といった症状も出ます。
さらに声が出せなくなる(失声)、手や足が動かなくなる、目が見えなくなるなど重症になるケースもあります。
上記のような症状は、小児神経科や心療内科で診てもらうのもいいでしょう。
保健所では育児相談や発達相談も実施しています。
また、最近はカウンセラー教諭がいたり、スクールカウンセラーが派遣されている学校もあります。
教育センターや教育相談所、児童相談所なども利用するのをおすすめします。
・チック症(トゥレット症候群)について
「チック症」は自閉症と似ている病気であると同時に、自閉症の合併症だということもできます。
チックの症状ばかりが目につくのであれば、自閉症の前に「チック症」の疑いがあります。
「チック症」は神経の病気の一つです。
クセのようなもので特に乳幼児期から小学校・中学校時代にかけて症状があらわれます。
子供のチックの症状は、成長するにつれてほとんどが消えていきます。
このうち、声や行動に症状が出る慢性的なものを「トゥレット症候群」といいます。
こちらは学童期から思春期にかけて多く見られます。
「チック症」(トゥレット症候群)の特徴 まばたき、首振り、顔しかめ、口すぼめ、肩上げなどというふうに上半身に症状がよくあらわれます。
大きくは飛び跳ね、足踏み、足けりなど全身に出る「運動性チック」と咳払いや鼻ならし、うなり声、短い叫びを連発する「発声(音声)チック」に分けられます。
・「チック症」(トゥレット症候群)の対処方法
重症の場合には薬を用いて、軽症ならレクリエーションなどを利用した行動療法が効果的とされています。
親へのカウンセリングも十分に行い、本人の不安や緊張を和らげて、リラックスさせることが目的です。
また本人に障害のことを伝えると、余計に気にしてかえって症状が強くなることもあるので注意しましょう。
症状にあまり気を向けないように、何かほかのことに興味を持たせるようにしましょう。